仕事を辞めたいとぼやく人に何と返すか?
昨日、私の姉妹から「仕事に行きたくない。やめたい。死にたい」との連絡がありました。
日本に蔓延るメジャーなお悩みですね。
今日はそんな、「仕事辞めたい」と弱音を吐かれた時にどう接したら良いのか?
持論を話したいと思います。(あくまで個人の意見です)
まず、彼女の場合、演劇学校を卒業してから、ニートとフリーターの間を行ったりきたりしていました。
さすがにこのままだと雇用の間口がどんどん狭くなるのでは?と思った私は、
どうせ同じ給料なら事務仕事してみる?と私はの務めている会社の営業サポートを勧めました。
彼女は順調に仕事を覚え、1〜2年勤務した頃、「自立したいから社員になりたい。でもこの会社の営業は嫌だから、就職活動をする」
と言い始めました。
はじめは自分に何もスキルがなく、ある程度稼げて、ある程度きつくない、ある程度興味のありそうな、サロンやエステの受付を探していました。
勿論それを否定するわけではありませんが、美容業界で働いたことのあった私は厳しさも知っていたのと、あとこれは勘ですが、なんとなく彼女はすぐ飽きて辞めてしまいそうな気がしました。
なので、否定はせず、
「そこも受けたらいいけど、、落ちて当然だけど本当はいきたい会社、やってみたいこと、実は他にあったりしないの?」
と、聞いてみました。
すると、
「実は、、商品企画がやってみたい。キャラクターが大好きだから、ブランドの世界観を表現したい」
と、話してくれました。
そこで、ダメ元でもまずはチャレンジしてみようと話し、商品企画を募集しているところに
当たって砕けろ精神でいくつか応募をしてみました。
いくつかはダメでしたが、スキルは充分ではないがとにかく熱い思いがあると熱意を買っていただけ、見込み採用で第一志望の会社に拾っていただきました。
そんな希望あふれる彼女に待ち受けていたのは、残業の毎日。
怒られ、指摘され、何が何だか正解がわからないまま、デザインをやり直す日々が続いたそうです。
そんな毎日のなか、「仕事むり」この言葉が送られてくるのはしょっちゅうでした。
そして、ある日限界に達したのか、
「もう無理だ。このままだと死ぬ。どうしていいかわからない」
と連絡がきます。
こんな状況下なら、あなたならなんて返信をしますか?
・せっかく夢が叶ってこの会社に入ったんだからもっと頑張れ!世の中にはブラック企業は腐るほどあるからね。
・毎日8:30から終電続き?働き方改善がこんなに叫ばれている世の中でそんな会社ありえない!そんな会社辞めてしまいなよ。
・(自分が決めることならいいんじゃない?)
じゃあ辞めちゃえば?
あなたの考えに近いのはどれでしょうか?
全然違う答えの人もいるかもしれませんね。
私なら、彼女に「じゃあ辞めちゃえば?」と言うことはまずありません。
本当に辞めたきゃ辞めるし、辞めたくなきゃ続けるだけでしょ。そう吐き捨てるように言う人は、結構多いと思います。
以前は私もこのタイプでした。
でも、今は違います。
なるべくなら「辞めてもいいんじゃない?」とは言いたくありません。
なぜなら、それは彼女の意思ではないからです。
弱っている彼女を冷たく突き放すような言い方をしたくないからです。
「死にたい。もう無理だ。朝身体が動かず、どうしても行けない。死ぬことばかり考えてさしまう。。」
このレベルになると、仕事やその夢自体がアレルギー反応を起こしてしまっているので、辞めてもいいんじゃないか?と背中を押すことはあります。
それは辞めたい、もう切り離したいというのが心の叫びだと思うからです。
そうではなくて、
「死にたいほど嫌なことがあって、だから会社に行きたくない」
という場合には、会社をやめることが望みとは限らないです。
先ほど例に挙げた、
夢が叶ったんだしもっと頑張れ!ブラック企業なんて他にもザラにあるし新人なんだからそれくらい頑張れ。これで辞めたらまたフリーターに後戻りだぞ。
このような考え方はあなたの固定概念、あなたの意見であって、彼女の望みではありません。
頑張っているけど足りていなく、それがどうにも辛いから弱音を吐いているんです。
そんな会社ブラックすぎ!そんな会社とっとと辞めちゃいなよ!
これも、押し付けに聞こえます。
彼女は本当に辞めたいと思っているのでしょうか?
心身疲弊して、弱音を吐いてあなたに救いを求めてきているところに、
彼女度外視の返事をするのはあまり効果的ではありません。
まずは、話を聞いて、彼女が求めていることを見抜いてください。
彼女の話を聞いていると、自分は限界まで頑張っているけど、何度も上司に跳ね返されて
正しい答えも教えてもらえず、だから終わりが見えない。絶望しかない。休み返上でやっているから体力も限界だ。。という内容でした。
これで彼女の悩みと希望がわかりましたね。
彼女はこの仕事内容自体に不満を持っているわけではありません。
上司とうまくいっていないことがストレスなのです。
やる気はあるのに空回り、効率よく教えてももらえない、新人であること自体許してもらえない。
仕事の厳しさを教える必要はありますが、新人ができないのはある種当たり前です。
同業種だとしても会社によってやり方が違うのに、正解も教えず正解にたどり着くまでやり直しをさせるやり方は非常に意地悪です。
新人だし、やっぱできるわけないよね。
彼女は、毎日こう言われていたそうです。
新人だから失敗があるのも想定範囲という姿勢で接することが大事ですよね。
さて、彼女と話し合い「なぜ会社を辞めたいのか?」の理由を突き止めたあとは、彼女と一緒に作戦会議をしました。
どうにか、担当を変更してもらえないのか?
疲れきっているから身体を休めるために、数日会社を休めないのか?
彼女は自分から、「面談でこのことを上司より上の人に話してみる」と自ら切り出してきました。
朝も「会社に行くのが怖い」と連絡がきていましたが、会社に着いた途端周りの席の人たちが心配して寄ってきてくれたそうです。
彼女の頑張りを近くの人はみんか見てくれていたんです。
「何があったの?あの上司がまた冷たくしたの?」と聞いてくれたおかげで話を切り出しやすくなったそうです。
結局のところ、上司は教えることに慣れている方に変更になったそうです。
後に聞けば、教え方が雑で有名な人だったとか。
それ以降は、普段のSNSの投稿も明るくなり、仕事に対しても前向きに取り組めるようになったようでした。
そんな日々が続き、久々に連絡がきた昨日でした。
「やはりもう無理だ。もう辞めたい。死にたい。」と。
世の中には、本当に死ぬほど切迫詰まっている人もいれば、超疲れたと同じ文脈で死にたいを使ってくる人もいます。
確実に彼女は後者でしょう。
死ぬくらいであれば、続ける必要はない。
辞めたいわけじゃないけど、辞めたいくらい辛いのなら、また問題と解決方法を一緒に考えよう。
また、そんな思いでまた話を聞いていきました。
今回は、年上の同僚に仕事をなすりつけられ、それで悩んでいたみたいです。
今日会社とまた話し合うと言っていました。
若い奴は、という人もいるけれど、
新人には新人なりの悩みや葛藤があるのですね。
とにかく、いろいろつらつら書きましたが、今回お伝えしたかったのは、
相手の発した言葉に対して自分の考えを述べるのではなく、
相手の言葉の裏側になる本当の望みと問題を見つけ、解決方法を模索することが大事、
ということです。
なぜなら、相手は弱音を吐くほど弱っていて
その救いをあなたに求めたのです。
だったら、その人のために、その人を主語にしてどうすべきかを考えてあげませんか?
今の会社を続けて死ぬほど頑張る
今の会社を辞めてニートになる
どちらも不正解ということではなく、
彼女が何を望むかが正解です。
もしあなたが非常に辛いことがあって、同じような悩みを抱えたとき、
「辞めたらニートに逆戻りよ、あなたの為を思って言ってるの。夢なんだし頑張らなきゃ!」
「そんなブラックな会社辞めちゃえば?他にも会社はごまんとあるんだしさ!」
と言われるよりも、
「どっちがいいということではなくて、あなたが幸せになれる方を、私は応援したい」
と言われたら、とても救われると思いませんか?
ちょっとウツっぽい人の対応は、面倒かもしれませんが、理解や慣れで付き合い方もラクになりますよ。
あなたが、仕事の過労死を救えるひとりになるかもしれません。
仕事で見つけたウツっぽい人、許して愛でてやってください。
あなたも「LGBTの周囲の人」のひとり。映画「カランコエの花」を観て思ったこと。
今、LGBTの周囲の人を描いた、映画「カランコエの花」が話題になっています。
今旬な今田美桜さんが主演なのと、LGBTとタイムリーな題材とが注目を集め、各メディアにも取り上げられたり、自主制作にもかかわらず、劇場での追加公演が相次いでいます。
私もこちらの映画を観てきた一人です。
今日は、映画の感想ではなく、私も「LGBTの周囲の人」としてのこの記事を書きたいと思います。
私が、初めて「LGBTの周囲の人」として実感したのは中学生の頃です。
小学生になる前、家の近の保育園に通っていたとき、女の子たちに混ざって遊ぶ目がくりっとした可愛らしい"よっち"という男の子が同級生にいました。
私はこの子ととても仲が良く、よくおままごとや砂団子遊びをしていて、私の5歳のお誕生日会には白い子猫のぬいぐるみをプレゼントしてくれました。
小学校に上がる頃、住む地域の関係でよっちは隣の小学校になってしまいましたが、近所でたまに見かけたりしていました。
その時もよっちはいつも女の子たちと遊んでいました。
中学に上がり、よっちも同じ地域のはずなので名前を探しましたが、どこにも名前は見当たりませんでした。
友達に聞くところによると私立の中学校に通うようになったようです。
私は、時間が経ってしまったけれど元気にしているかな、また会いたいなと思っていました。
小学校でよっちとご近所さんで仲の良かった女の子が同級生でいたのですが、女子トイレで手を洗っているときにたまたま隣り合わせになったので、あの子は元気にしてるかな?また会いたいな、と話しかけてみました。
するとその子は、
「えー、私も全然会ってないからわかんないなあ。
だって女の子みたいで気持ち悪いし!」
こう返事をしました。
その時、私は胸がズキッとしたような、ゾッとしたような衝撃を覚えました。
その子の悪意のない天真爛漫さと、並べられた言葉の残酷さ、自分が聞いたことの少しの恥ずかしさとが混ざったよくわからない感情が私を襲ったのだと思います。
それからというものの、よっちが今何をしているのか、どうしているのか、誰にも聞けないままになってしまいました。
今だにどこで何をしているのか知りません。
あの時、私は何もできなかったし、何もしなかったのですが、私はよっちのことを気持ち悪いと感じたことは確かになかった気がします。
だったら、勇気を出してほかの人にも居場所をきいて友達になっていればよかったなと今になって思うのです。
今、私の会社には三人くらいゲイと呼ばれる同性愛者がいます。
ファッションに近しい業界では沢山いるので特に誰も気にしていないです。
実際、私が会社でよくランチに行く一人はその三人のうちのひとりで、恋バナも沢山します。
彼からは、チャーミングな外国人の彼氏の自慢みたいな不満をよく聞かされています。
男性は狩をするオスという本能から、ゲイが気持ち悪いと思うこともあるのかもしれません。
でも、本能だけでなく知識によって学習できるのが人間の特権だと思うのです。
そういう人もいる、そういう人もいて当たり前という知識をもてば、理性を越えて自分をコントロールすることができるのではないでしょうか?
差別的な行為が減って、当たり前に思う人が増えれば、これは常識へと変わります。
少し話は変わりますが、、
昔、とはいってもほんの20年前。
漫画を読めばオタクと言われた時代がありました。
漫画は頭が悪くなる、電車男と同じ、とオタ
漫画が好きな奴はイケてない奴だと見られる、そんな風潮が強かったと思います。
かくいう私も小さい頃から漫画が大好きでしたが、頭が悪くなるからと両親は毛嫌いしていましたし、中学生の頃にイケてないダサい奴だと思われたくなくて、漫画好きを公言することを辞めてしまいました。
けれど、そんな風潮もあるきっかけを境に世の中の見方がどんどん変わっていきました。
きっかけは電車男の大ヒットだと思いますが、オタクがフィーチャーされたこの出来事に当時の私はとても感動したのを覚えています。
今や、オタクカルチャーは完全に市民権を獲得しました。
ワンピースの興行収入や、コミケの動員数を見れば一目瞭然だと思います。
もはや、漫画カルチャーは日本の誇らしいカルチャーとなり得ました。
AKBだってそうです。
始めの頃はファンと握手をすることで人気を得る、とんでもないアイドルとしてしかニュースにならず、オタクのためのアイドル、気持ち悪いという見方をする人も多かったはずです。
ですが、今となっては紅白やバラエティには欠かせない、テレビで見ない日はない国民的アイドルとなりました。
これらのように、その時の「当たり前」は簡単に変えられるのです。
理解ある人の数が、この「当たり前」を変えていきます。
この映画を観て、何かを思ったひとは、この「当たり前」を変えていく人の一人になってほしいと思っています。
あの時の"よっち"が生きやすい世の中を目指して。
皆さんに是非観てみていただきたい映画です。
▼カランコエの花 オフィシャルサイト
https://kalanchoe-no-hana.com/